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それではゆっくりとご覧ください。
徳島出張の夜、一撃でノックアウトされた前回の「三芳菊(みよしのきく)」。あのフルーティーで魅惑的なフルスイングを堪能し、「これ以上の衝撃はあるのだろうか」と大満足でグラスを傾けていた私ですが……徳島の夜はまだまだ深かったのです。
次に出てきたのは、同じ徳島でありながら全く異なるベクトルで脳天をぶち抜いてくる、とんでもない至高の一本でした。
その名は、「高柿木(たかがき)」。
芳醇で力強いパンチが駆け抜ける、男前で濃厚な旨い酒。今回は、三芳菊に続いて私を骨抜きにした「高柿木」の圧倒的な魅力をお届けします!
フルーティーな三芳菊から一転!伝説の杜氏を継ぐ「高柿木」とは?
徳島の酒といえば、前回の記事でご紹介した「三芳菊」のような華やかで斬新な果実味が強いインパクトを残しますが、この「高柿木」はまさにその対極とも言える骨太な存在感。
醸しているのは、徳島県三好市にある芳水酒造さんです。 吉野川の南岸、清らかな水と豊かな自然に囲まれた山峡の地に蔵を構え、「四国に芳水あり」と全国の日本酒ファンから高く評価されている名蔵です。
この「高柿木」という銘柄は、かつて同蔵で腕を振るい、数々の銘酒を生み出した名杜氏・高垣克正氏に敬意を表して醸される特別な限定ブランド。伝説の杜氏の名を冠していると知るだけで、呑む前から胸の高鳴りが止まりません。
三芳菊で心地よく温まった胃袋に、今度はどんなパンチが打ち込まれるのか――。
一口で覚醒!圧倒的な芳醇さと力強いパンチ
グラスに注ぎ、鼻を近づけると、まずはメロンを思わせるみずみずしくきれいな香りがふわりと立ち上ります。「意外と品のある佇まいだな」と油断したのも束の間。
一口、口に含んだ瞬間――。
「ガツン……ッ!! なんだこの力強いパンチは!!」
思わず目が覚めるような衝撃が口の中を駆け巡りました。
濃密で重厚なお米の旨味と甘味が、怒涛の勢いで押し寄せてきます。無濾過生原酒ならではの骨太なボディ感、そしてアルコール度数18度台がもたらす圧倒的なアタック感。まさに「芳醇でパンチがある」という表現がこれ以上なくしっくりくる力強さです。
昨今のトレンドである「低アルコールで軽快・スッキリ」とした日本酒とは一線を画す、圧倒的なドッカン系。
しかし、ただ力強いだけではありません。太い旨味の背景には、鮮烈な酸味と絶妙な苦味がしっかりと効いており、濃厚なのに決して重苦しく感じさせない素晴らしいバランスが保たれています。喉を通した後に押し寄せるキレと心地よい余韻は、まさに至福の一言。
三芳菊の華やかなアプローチから一転、「これぞ旨い酒を呑んでいる!」という力強い実感を全身に刻み込んでくれる一杯でした。
パンチに負けない!徳島夜の極上ペアリング
これほど力強い「高柿木」を味わうなら、合わせるアテもタフで旨味の強い料理がベストです。三芳菊のときとはまた違った、徳島ならではの濃厚な夜の宴が始まりました。
1. 阿波尾鶏のモモ焼き(塩・胡椒強め)
徳島の名産「阿波尾鶏」のジューシーな脂と濃密な肉の旨味。これに「高柿木」の力強い原酒のボディがガチッとぶつかり合います。互いの存在感を高め合いながらも、酒の酸味が後味をサラリと流してくれるため、箸とグラスが止まらなくなります。

2. 甘辛く煮付けた魚のあら炊き&濃厚肉豆腐
甘辛いタレが染み込んだ濃い目の料理にも、「高柿木」はビクともしません。むしろ酒の濃醇な旨味が料理のコクと重なり合い、口の中で旨味が何倍にも膨らんでいく感覚を味わえます。
冷やして呑むとキリッとした鋭いパンチが楽しめますが、少し時間が経って温度が上がると、お米のふくよかな甘みがより一層ひらいてきます。ちびちびと温度変化による表情の違いを楽しみながら呑む時間は、出張の疲れを完璧に吹き飛ばしてくれました。


徳島の夜が教えてくれた、日本酒の奥深さ
三芳菊という華やかなストレートパンチを受けた直後に出会った、高柿木というずっしり重いフック。同じ徳島の地でありながら、これほどまでに個性と魅力が異なる銘酒に出会えるとは、出張の夜は本当にやめられません。
徳島の清冽な水と伝統の技、そして伝説の杜氏への敬意が詰まった「高柿木」。 ただ美味しいだけでなく、吞み手の心に深く刻み込まれるような圧倒的な存在感を持つ銘酒でした。
地酒専門店や居酒屋でもし「高柿木」の文字を見かけたら、迷わず注文してみてください。その芳醇な旨味と強烈なパンチの虜になってしまうはずです。
でも他県で【三芳菊】や【高柿木】を見つけるのは難しいかもしれないですねぇ(苦笑い)
今夜も最高の酒に出会えたことに感謝を込めて。 あぁ、徳島の夜に戻って、もう一度あの力強い一杯をじっくり呑みたいなあ……!

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